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自己PRその51・フリスビー

わたしは小さいころからスポーツというものが苦手で、何度も苦い思いをしてきました。走れば女の子より遅いし、ドリブルもできないし、フライなんかとれっこない。いつの世もモテるのは足が速くてエースでピッチャーでフォワード的なばんのうくんで、わたしのような日蔭者は彼らのおぜん立てをすることしかできない。球技大会でサッカーをやることになって、男子が12人しかいないクラスで補欠になった人の気持ち考えたことあんのか。超びっくりしたよ。みんな残酷だよな。なににつけてもスポーツスポーツって、そんなにスポーツが大事ならおまえら全員スポーツ平和党に投票しろ!!

 

思えば高校の体育の授業、野球の試合をしていたときのこと。いくらヘタクソだからといっても授業には参加しなくてはなりません。しかし「野球なら三振すれば終わるし余裕っすわ~ハハハ」と全身の筋肉を弛緩しきり、がっつり三振してベンチに戻ろうとしたところで脳みそシックスパックな体育教師様が「授業だから、三振ナシで。当たるまでやんぞ。」という突然の終身刑を宣告。まさかの実刑判決にとまどいを隠せないおれ。無情にも構えるピッチャー。弱々しく振られるバット。ミットにボールが収まる音。最初は笑ってるまわりも、だんだんシーンとしてくる。あなたたちにこの涙が見えまいか。目からは流れずとも、心につたう一筋の涙が見えまいか。彼はいま、泣いているのだ!助けて!!!

 

そんな天衣無縫の運動音痴であるあたくし。それでもこの歳になってくるとスポーツを行う機会が少なくなってくるので、わたしを苦しめた運動音痴も鳴りをひそめます。しかし地元の友達とココイチでカレーを食ってたところ、その彼が「公園でフリスビーしようぜ」と屈託のない笑顔でおっしゃるのでドンキでフリスビーを買い、むかしよく遊んだ公園にくりだしました。

「夜中に公園でフリスビーなんてなんだか青春っぽいな。ハチクロみたい。読んだことないけど。」

そんなことを考えながらフリスビーを投げ合うんですが、なんだかまっすぐ飛ばない。友達のはまっすぐおれのところまで届くんですが、おれが投げると友達のところまで飛ばない。放たれたフリスビーが地面と垂直になる。遠くまで転がるフリスビー。何度も走る友達。そのたびに痛むおれの心。そのとき頭にあの野球の記憶が去来したよ。ホント、運動音痴ってのは業が深いよな、フリスビーひとつ満足に飛ばすことができないのか。こんな小さいことでもすげー落ち込んだよ。もう生まれ変わったら照英になりたい。照英になってマッスルミュージカルやりたい。選挙ではスポーツ平和党に入れたい。