柔肌の熱き血潮に触れもみで

 

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 内定式も無事に終わり、ふたたび下宿に戻ってまいりました。

 

山梨では以前から楽しみにしていた『与謝野晶子展』が9月の末から県立文学館にて開催されていまして、それを帰省したついでにちょっくら観てきたので、御報告をば。

与謝野晶子といえば明治・大正・昭和の時代を生きた大歌人であります。

生涯に何万首も詠んだ歌のほかにも『君死にたまふことなかれ』に代表される詩や、小説、評論など数多くの作品を残し、男尊女卑をものともせず活躍したスーパー偉人。

また私生活では夫である鉄幹との間に12人の子供をもうける痛快!ビッグダディ状態でありました。代表歌から『やわ肌の晶子』と呼ばれていたこともあるので、もしかしたら『ハダカの美奈子』とは近いものがあるのかもしれません。

 

日本に最も近い発展途上国こと山梨に与謝野晶子がやってくるなんてのは敗戦以来のビッグニュース。娯楽とイオンが同義語だと信じている県民からしたらマストでチェケラしておくべきイベントなのです。

わたしも内々に流れる山梨の血を感じながら文学館を訪れたところ、特に説明もなくいきなり受付でクジを引かされ、引いた番号に照らして一枚の紙を渡されました。

 

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おもはずや夢ねがはずや若人よ

もゆるくちびる君に映らずや

 

・歌の意味・

ねえ、あなたは私のことが好きではないの?夢がかなえばいいと思わないの?私の燃え立つようなくちびるが、あなたの目には入らないの?

 

・晶子からのアドバイス・

草食系男子の彼には、あなたからせまってみるのもひとつの方法ですよ。

 

ファッキンですよね。

まごうことなきファッキン。

もはやファッキンエンドファッキンのジョンソンエンドジョンソン㈱。

 

この受付に鎮座するテロリストどもはノコノコやってきた田舎者にクジを引かせて、はい11番ですね~ってこの紙をプロバイドし、「え?恋みくじですけど?知らねえの?」みたいな顔しやがる。

恋みくじて。それナウでヤングなアベックが初詣でやるファッキンなアトラクションでしょうよ。目を覚ませ、ここは正月の明治神宮じゃない。

そもそも山梨県では愛だの恋だのを得意に語るヤツより、ブドウにジベレリンを上手に漬けられるヤツのほうがモテますからね。

「フジハラくん、5分で20房も漬けてる・・・(キュン///)」

てなもんですわ。

恋みくじなんてほうとう茹でるときに燃すぐらいしか使い道が思いつきません。 

 

きっと短歌に親しみを持ってもらうために文学館の偉い人が考えたチョベリグ企画なんでしょうが、こういうのって事前に説明してくんないとみんなビックリしちゃうと思うんですよね。

与謝野晶子はなにも悪くないんですけど、いきなり

「ほれ、これが恋みくじだぞ。うれしかろう?んん?」

って渡されても、男ひとりで訪れた私はどんなリアクションをしていいかわからず、突然の出来事にビックリして心臓がギュッてなってしまいます。

恋みくじ渡されて、心臓ギュッってなったとき「俺死にたまふことなかれ」って思ったもんね。「俺死にたまふことなかれ~!!」って。ゴメン嘘、それはいま考えた。ちょっと調子乗った。

 

せめて俺みたいにひとりで来た男にはちゃんと説明をして、そのうえでクジを引くか引かないか尋ねてほしい。でないと、この晶子のアドバイスはどうするんだよ。

こちとら草を食んで立派に大きくなりました大地讃頌系男子だっつーんですよ。

晶子によるゴキゲンなハンティング指南なんて受けたところで活かしようがない。それに、『晶子からのアドバイス』っていうか、これ書いてんのオッサンだろっていう懐疑の念が消えない。どうしても消えない。ラミネート加工でもしてあんのかってぐらい消えない。

なぜなら!

晶子は!

とうに死んでいるから!!

 

オッサンが書いた恋みくじが、受付のオッサンを介し、いま俺の手元に。

これを悲劇といわず何と言おうか。

決して忘れることのないよう、ここに記す。