チンポをなめているとき、チンポもまたこちらをなめているのだ。その3

 

前回までのあらすじ

これが玉座ですって?ここはお墓よ、あなたとわたしの。

 

 

 

 

待ち合わせ場所に現れたのはおれよりすこし背の高い、175センチぐらいのニューハーフ。

 

『アーユーフジハラ?』

 

エスと答えると

 

『アイム ルックナット 』

 

と言った。いままでながらくお待たせしました。こちらがわたしがタイで出会ったニューハーフ、ルックナットちゃんである。

 

 

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ふつうにかわいいが、まあニューハーフだろうってかんじの容姿だ。ホントに女の子みた~い、という感じではない。しかしそれは何の問題もない。こっちはニューハーフを求めてここまで来たのだから、それ自体に臆することなどない。

 

ただおれは完全にニューハーフとふたりきりのつもりだったのだが、彼女は友達も連れてきていた。説明するのがややこしいが、彼らは男2女1ニューハーフ1というドラクエ3的パーティでやってきた。

 

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意図せずとも敵とエンカウントしたときのようなブレ方の写真で申し訳ないですが、こちらの面々です。写真手前がわたし、藤原である。いかがですか、このこれからバラモスでも倒してアリアハンに平和をもたらしそうな屈強なパーティは。なにこの人たち。なにしにきたの??

 

 

おれは予期せぬ事態に少なからず面喰らっていたが、とにかく店に入ることになった。なんとか平静を装いながらルックナットちゃんと話していると、倒すと低確率でダンビラムーチョのこころをドロップしそうな、写真で言うと右下の女がおれの前に来て、

 

『ちょっと手のひら見して』

 

と言うので見せると

 

『親指から人差し指の間の距離がアソコの長さなんだってよ!!』

 

と言いながらギャッハッハッハと笑っている。出会ってはじめての会話がそれ。開口一番チンポジョークの国、それがタイ。きっとダンビラムーチョだって初対面のときにはチンポジョークは控えるだろう。『あ、ステキな刀っスね』とか『はやくキングムーチョになりたいっスね』とか、そういうような無難なことを言うにきまってる。それがコイツは開幕ザラキだ。ここにはルールなんてない。

 

 

あとの男ふたりは店に入ってからずっと踊り狂っている。踊ってはバーカウンターであやしいガスを吸い、また踊っている。ときおりおれに話かけてくるがタイ語と英語がごちゃまぜになっており何も聞き取れない。おれは何を聞かれても『イエーーーーーーー!!!!!!!』と全力で発声していた。ほかに手立てがなかった。原始のコミュニケーションだった。

 

 

予期せぬ『タイじんB』『タイじんC』『タイじんD』の出現によりメダパニ状態になってしまったおれだが、なんとかルックナットちゃんと仲よくなるべくおしゃべりにいそしんでいた。なんとかして仲よくなって、できれば今日中にイチャイチャできれば、というのが理想である。彼女がニューハーフショーの演者だということや、きょうはパーティの営業帰りで疲れているとか、もともとは田舎の出身だとか、そういうことを1時間ぐらいお酒を飲みながら話していた。しかしここで再びムーチョがおれの前に現れる。

 

『タイの女とセックスしたことあるの?』

 

2つ目の話題がそれか、と思いながら『ないです』とおれが言うと、彼女はルックナットちゃんを指さして

 

『じゃあコイツがお前のはじめての女だね!!!ギャッハッハッハ!!!』

 

 

 

そうなの???

 

アタシ、たしかにできればそうなればいいな、とは思ってここに来たけど、そうなの???

 

それは決まってることなの?このままセックスできんの?だってルックナットちゃんは風俗嬢じゃないし、ニューハーフってだけで、普通のひとよ?まだ会って1時間とかだけど、そんなノリでいっちゃっていいの?

 

おれの当惑をよそにギャッハッハと笑うダンビラムーチョを眺めていたら、おれの隣にいたルックナットちゃんが耳元でささやく。

 

『Do you wanna go to hotel?』

 

そうなの!!???

 

 

次回予告

そして伝説へ